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明渡し

 不動産賃貸借契約に解除事由が認められ,契約解除の通知を行った場合,賃貸人の定めた期間内に,賃借人が土地又は建物を明け渡してくれる場合もありますが,中には,不動産賃貸借契約解除通知を受領した後も,土地又は建物に居座り続ける賃借人が存在します。

 このような賃借人を合法的に退去させるためには,裁判所に対して明渡訴訟を提起して勝訴判決を得た上で,執行官に対して強制執行の申立てを行い,強制執行を行う必要があります。

 仮に,勝訴判決の取得及び強制執行という方法を採らず,賃借人が占有を継続した状態で賃借人が賃借物件内に入ることを妨げる措置(施錠をする,鍵を代える等)を採ると,自力救済を理由として,賃貸人に不法行為に基づく損害賠償責任が生じる場合があります。

 さらに,不動産賃貸契約書には,通常,明渡時に残置物を賃貸人が賃借人の承諾なく処分できる旨の規定が置かれていますが,当該規定は,賃借人の占有を合法的に排除した後に初めて有効性が認められる規定であると解されており,賃借人に対する明渡訴訟の勝訴判決及び強制執行を経ない状態で残置物の処分を行うと,不法行為責任に問われる場合があります(東京高等裁判所平成3年1月29日)。

 このように,不動産の明渡しの場面では,賃貸人と賃借人の利害関係が先鋭化し,賃貸人としての立場であっても,慎重に行動をする必要があります。

 当法律事務所は,執行官と連携しながら,強制執行を迅速・円滑に行っておりますので,明渡しに関する法律問題に適切に対応し,明渡しを実現することが可能です。

執筆者: 市橋 拓

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