Q.当社は,ある商品をAに売り,Aから30万円の支払を受けることになっています。売買代金30万円について支払金種を決めていない場合,Aは500円玉ばかり600枚で支払うことはできるのでしょうか。また,Aは1000円札ばかり300枚で支払うことはできるのでしょうか。

2016年7月 7日

A.Aが500円玉600枚を持参した場合,ご相談者様は受取を拒否することが可能です。
 一方,Aが1000円札300枚を持参した場合,ご相談者様は受取を拒否することはできません。

 金銭債務について,1万円札・5千円札・1000円札・500円硬貨・100円硬貨・・・といった種類の「通貨」をどのように組み合わせて支払うかは,債務者の自由です(民法402条1項)。
 しかし,硬貨(コイン)については,「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第7条により,「額面価格の二十倍まで」を限度として通用することと規定されています。「通用する」とは,債務の支払として有効になるということであり,20枚までは同一硬貨による支払を行ってもよいということです。硬貨は小額な取引に適しているものの,あまりに多くの数が使用された場合,計算や保管に手間がかかり不便であることから,20枚という上限が設けられています。ただし,支払を受ける側が了解しているのであれば,上限を超えた使用を妨げるものではありません。
 したがって,Aが500円玉600枚を持参した場合,ご相談者様は受取を拒否することが可能です。ただし,ご相談者様が20枚という上限を超えた同一硬貨の使用を了解されるのであれば,20枚を超える部分についてもAの債務の支払として有効(民法493条の債務の本旨に従った弁済の提供があった)と扱うことも可能となります。
 一方,紙幣については,「日本銀行法」第46条2項で「無制限に通用する」と規定されています。
 したがって,Aが1000円札300枚を持参した場合,ご相談者様は受取を拒否することはできません。仮に,受取を拒否した場合,ご相談者様が受領遅滞の責任を負うことになってしまいます(民法413条)。

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