【内部統制シリーズ②】内部統制システム構築義務について,裁判例はどのような立場を採っているか。―会社の規模や特性に応じた内部統制システムの構築が求められます。また,その会社の特有の事情が存在する場合には,それに対応するシステムの構築が要求されます。

2017年4月26日

 取締役は,会社の規模や特性等に応じた内部統制システムを構築する義務を負い(大阪地判平成 12 年 9 月 20 日(判時 1721 号 3 頁)),時代ごとの情勢や会社の状況に応じた内部統制システムを構築することが求められます。そのため,取締役は,いったん構築した内部統制システムについても,評価・改善していかなければなりません。

 内部統制システム構築義務に関し,初めて判示した最高裁判所の判例として,最判平成 21 年 7 月 9 日(判時 2055 号 147 頁)があります。これは,会社の従業員が架空売上げを計上したため,有価証券報告書に虚偽の記載がなされたという事件です。これに関し,会社の代表取締役にリスク管理体制の構築を怠った過失が認められるか否かが問題となりました。
 この事件において,最高裁は,取締役には原則として「通常想定される…不正行為を防止し得る程度の管理体制」の構築が求められるとしました。
 さらに,同最高裁によれば,その会社の特有の事情,例えばその会社において過去に同様の不正行為が発生したなどの「特別な事情」が存在する場合には,その不正行為に対応しうる内容の内部統制システムを備えておくことが求められています。このような考え方は,上記最高裁判決以降の裁判例にも表れています(東京地判平成 21 年 10 月22 日(判時 2064 号 139 頁),東京地判平成 27 年 4 月 23 日(金判 1478 号 37 頁)など)。

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