【内部統制シリーズ④】内部統制システム構築義務に違反した場合,会社法上,どのような責任が発生するか。―取締役や会社は,損害賠償責任を問われる可能性があります。

2017年4月28日

 取締役が内部統制システムに関する義務を怠り,それにより損害が生じた場合には,損害賠償責任を負うこととなります。
 具体的には,取締役は,会社法423条1項の会社に対する任務懈怠責任や,会社法429条1項の第三者に対する責任などが追及されると考えられます。また,会社は,会社法350条に基づき,代表者の行為について損害賠償責任を問われることがある(最判平成 21 年 7 月 9 日(判時 2055 号 147 頁))ほか,民法709条の不法行為の規定に基づき,損害賠償請求されることも考えられます。

 義務違反の内容としては,まず,内部統制システム構築に関する決定が義務づけられている会社において(会社法 348 条 3 項 4 号・4 項等),それをしなかった場合に法令違反があるということとなります(内部統制シリーズ①参照)。
 次に,取締役が当該会社の規模や特性に応じた内部統制システムを構築していなかった場合には,善管注意義務違反が認められます。また,過去に不正行為が発生したにもかかわらずそれに対応しうる内部統制システムを構築していなかった場合にも,善管注意義務違反が認められる可能性が高いでしょう(内部統制シリーズ②参照)。
 義務違反の有無の判断にあたっては,問題となっているシステムが会社のコア事業にかかわるものか否かも,重要な要素になるといえます(内部統制シリーズ③参照)。

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