平成19年版『公正取引委員会年次報告』(独占禁止白書)に目を通してみました。下請法4条1項3号(減額の禁止)の勧告事例を見ると協力金,歩引き,管理料,一括値引,協力値引等の名目で,下請代金の減額がなされ,減額の禁止の問題とされました。 |トピックス|しょうぶ法律事務所 平成19年版『公正取引委員会年次報告』(独占禁止白書)に目を通してみました。下請法4条1項3号(減額の禁止)の勧告事例を見ると協力金,歩引き,管理料,一括値引,協力値引等の名目で,下請代金の減額がなされ,減額の禁止の問題とされました。 |トピックス|しょうぶ法律事務所

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平成19年版『公正取引委員会年次報告』(独占禁止白書)に目を通してみました。下請法4条1項3号(減額の禁止)の勧告事例を見ると協力金,歩引き,管理料,一括値引,協力値引等の名目で,下請代金の減額がなされ,減額の禁止の問題とされました。

下請法は,経済的に優越した地位にある親事業者がその下請事業者に対し,下請代金の支払遅延等を防止するための法律です。独占禁止法の不公正な取引方法を補完する法律と言えます。従来は,製造・修理における下請取引が規制の対象でしたが,現在は,プログラム等の情報成果物を作成等の役務の委託に関する下請取引も規制の対象とされています。
今年の独占禁止白書に従って,下請法違反行為を分類してい見るとその約10パーセントが,下請代金の減額です。違反した業種を見ると文具等の卸売業,繊維製品製造業,衛生陶器等修理業,産業用ロボット等製造業,道路貨物運送業,自動車販売業等と多岐に渡っています。
下請から協力金等の名目で金銭の給付を受けるないしは,値引きをしている親事業者は,コンプライアンスの観点から,協力金等の慣行を検討する必要があります。これに対して,不当な値引き等で苦しんでいる下請事業者は,直接親事業者に要求することができない場合も多いでしょうから,公正取引委員会に申告して救済を求める道を検討する必要があるかもしれません。白書によれば,平成18年度の新規着手した事件のうち,下請事業者約16万名を対象とした書面調査により職権探知したものは約3000件であり,このうち100件は下請事業者からの申告によるものとされています(同白書,259頁)。

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