改正会社法② 社外取締役の選任義務付けは見送られましたが,「社外取締役を置くことが相当でない理由」の開示が義務付けられます。これがなかなか厳しいです。 |トピックス|しょうぶ法律事務所 改正会社法② 社外取締役の選任義務付けは見送られましたが,「社外取締役を置くことが相当でない理由」の開示が義務付けられます。これがなかなか厳しいです。 |トピックス|しょうぶ法律事務所

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改正会社法② 社外取締役の選任義務付けは見送られましたが,「社外取締役を置くことが相当でない理由」の開示が義務付けられます。これがなかなか厳しいです。

 金融商品取引法の適用会社である監査役会設置会社が事業年度の末日において,社外取締役会を置いていない場合には,取締役は,定時株主総会において,社外取締役会を置くことが相当でない理由を説明しなければならないことになりました(会327の2)。今回の会社法改正においては,社外取締役の選任義務付けは見送られましたが,金融商品取引法の適用会社には,社外取締役の選任を強く勧奨するための措置です。
 取締役が,定時株主総会において,株主総会の議案とは関連のない事項である,社外取締役会を置くことが相当でない理由を説明するというのは制度としては異例なものであるとされますが(江頭・株式会社法・第5版・382頁),ここでは「置かない理由」ではなく,「置くことが相当でない理由」の説明が求められている点に留意する必要があります。「社外監査役が機能している」などの定型的な説明では足らず,「一般的には社外取締役を置くことが有用であると考えられていることを前提として,当社についてはそれが相当ではない特別な理由」の説明が必要であるであると考えられています(前同)。
 なかなか厳しいハードルですね。「余分なコストがかかる」→普通の取締役を減らせばよいですね。「取締役の和を乱す」→社外取締役の人選の問題ですね。考えても思いつきません。そうなると,社外取締役を置いた方が総会での説明もなく楽だ,ということになりそうです。
 なお,東京証券取引所の上場規則によれば,一般株主保護のため,東証の上場会社は社外取締役よりも資格要件が厳しい「独立役員」(独立取締役又は独立監査役)を1名以上確保すべきことが義務づけられています。 山田尚武

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