会社法改正⑤ 【特別支配株主の株式等売渡請求】 新制度として,株式会社の「特別支配株主」(総株主の議決権の10分の9以上を有する株主等)が,当該株式会社の株主全員に対し,その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができ,会社の承認として「取締役会の決議」があれば,少数株主の締め出しを可能とする制度が創設されました。 |トピックス|しょうぶ法律事務所 会社法改正⑤ 【特別支配株主の株式等売渡請求】 新制度として,株式会社の「特別支配株主」(総株主の議決権の10分の9以上を有する株主等)が,当該株式会社の株主全員に対し,その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができ,会社の承認として「取締役会の決議」があれば,少数株主の締め出しを可能とする制度が創設されました。 |トピックス|しょうぶ法律事務所

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会社法改正⑤ 【特別支配株主の株式等売渡請求】 新制度として,株式会社の「特別支配株主」(総株主の議決権の10分の9以上を有する株主等)が,当該株式会社の株主全員に対し,その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができ,会社の承認として「取締役会の決議」があれば,少数株主の締め出しを可能とする制度が創設されました。

 会社経営において,株主総会開催を省略して意思決定を迅速にしたい,経営改革に際し柔軟な対応を可能にしたい,経営戦略から子会社を完全子会社化したい,株主に対する配当金の支払や事業報告書の送付などの株主管理コストを削減したい等の必要性から,「少数株主の締め出し」(スクイーズ・アウト)を行いたいと考えたとき,どのような方法をとるのがよいでしょうか。

 従来からの選択肢としては,(a)全部取得条項付種類株式,(b)株式の併合,(c)現金対価組織再編行為の3つがあり,実務では税制上の問題から (a)が普及していますが,常に株主総会の特別決議を経なければならない点がネックとなっていました。そこで,今回の改正では,少数株主締め出しの機動性を高めるため,「取締役会の決議」でこれを可能とする制度が創設されました。
 会社側が注意すべき少数株主保護手続としては,対価総額の相当性や,対価交付の見込みに関する事項,少数株主の利益を害さないように留意した事項についての「事前開示」義務が重要です。実際に株主保護に留意して承認を行ったとしても,事前開示を行わなければ,それ自体が取締役の義務違反となります。

 今回の改正で,少数株主締め出しの選択肢は,従来の(a)(b)(c)と特別支配株主の売渡請求を合わせて4つになりました。必ずしも新制度がベストでない場合もあるかと思います。組織再編をお考えの方は,ぜひご相談ください。私達と一緒に最適な方法を考えていきましょう。

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