遺留分減殺による物件返還請求調停・訴訟 |業務内容|弁護士法人しょうぶ法律事務所 遺留分減殺による物件返還請求調停・訴訟 |業務内容|弁護士法人しょうぶ法律事務所

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遺留分減殺による物件返還請求調停・訴訟

遺留分減殺請求とは,遺留分を侵害された者が,贈与または遺贈を受けた者に対し,遺留分侵害の限度で贈与または遺贈された物件の返還を請求することです。

遺留分減殺による物件返還請求について,当事者間で話合いがつかない場合や話合いができない場合には,遺留分権利者は家庭裁判所の調停手続(遺産分割調停ではありません)を利用して,遺留分侵害の限度で贈与または遺贈された物件の返還を請求することができます。

調停手続は,普通2名の調停委員が担当し,原則として,申立人と相手方が直接対面することなく,当事者双方から事情を聴いたり,必要に応じて資料等(相続税の申告書の控え等)を提出させたりして進めます。

遺留分の算定方法は,まず,「被相続人の財産」の額を求め,その上で,相続分の原則に従って,各遺留分権利者に「被相続人の財産」を配分します(民法1028条)。「被相続人の財産」は,相続開始の時に被相続人が有した財産の価額に,1年内の被相続人がした贈与の価額を加え(民法1030条前段),そこから被相続人の債務の全額を控除した残額です(民法1029条1項)。

調停委員は,当事者双方の意向を聴取し,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をし,話合いを進めていきます。しかし,話合いがまとまらない場合は,調停不成立となります。

調停不成立となると,遺留分権利者は,贈与または遺贈を受けた者に対し,遺留分減殺による物件返還請求を求める訴えを提起して,民事訴訟として,争われます。

遺留分減殺請求による物件返還請求の調停を利用する場合,二つのことに注意する必要があります。

一つは,家庭裁判所に調停を申し立てただけでは,相手方に対する遺留分減殺請求の意思表示とはなりません。必ず調停の申立てとは別に内容証明郵便等により意思表示を行う必要があるということです。

もう一つは,遺留分減殺請求とは,遺留分を侵害された者が,贈与または遺贈を受けた者に対し,遺留分侵害の限度で贈与または遺贈された物件の返還を請求するのが原則ですが,贈与または遺贈を受けた者が,減殺を受けるべき限度において,贈与または遺贈の物件の価額を遺留分権利者に弁償して物件の返還を免れることができます。価額弁償といいます。贈与または遺贈を受けた者にとっては,物件の返還を免れるというメリットがあります。例えば,同族会社の株式が遺贈の対象であった場合に,遺贈を受けた者は,価額弁償をすることによって,株式の返還を免れることができます。

遺留分減殺による物件返還請求は,相手方に対する遺留分減殺請求の意思表示に始まり,調停手続において,遺留分の算定等をするものであり,かなり複雑な紛争になります。法律事務所では,依頼者の皆様と十分なコミュニケーションを図りつつ,深い専門性をもって機動的な活動を実現します。

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