民事再生を選択する際の留意点⑤ 第5のポイントは,事業性評価です。債務超過等の経済的な窮境にあっても,なお再生させるに足る事業なのか,これを検討する必要があります。実はこれが再生手続選択の最大のポイントであり,難問です。事業性評価は,内部環境分析(強み・弱み)と外部環境分析(機会・脅威)の観点からすることができます。 |トピックス|しょうぶ法律事務所 民事再生を選択する際の留意点⑤ 第5のポイントは,事業性評価です。債務超過等の経済的な窮境にあっても,なお再生させるに足る事業なのか,これを検討する必要があります。実はこれが再生手続選択の最大のポイントであり,難問です。事業性評価は,内部環境分析(強み・弱み)と外部環境分析(機会・脅威)の観点からすることができます。 |トピックス|しょうぶ法律事務所

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民事再生を選択する際の留意点⑤ 第5のポイントは,事業性評価です。債務超過等の経済的な窮境にあっても,なお再生させるに足る事業なのか,これを検討する必要があります。実はこれが再生手続選択の最大のポイントであり,難問です。事業性評価は,内部環境分析(強み・弱み)と外部環境分析(機会・脅威)の観点からすることができます。

 前者の内部環境分析は,まず,貸借対照表・損益計算書を中心とした定量的情報と数字には表れない定性的情報からアプローチします。定量的情報は経営分析です。貸借対照表・損益計算書は3年分くらい並べて数値を比較し,各科目の増減の傾向を掴み,経済的窮境に至った原因を分析し,それが除去可能かどうか判断します。除去可能あれば,当該事業の再生は有望です。
 次に,財務情報には反映されない定性的な情報の分析です。会社の伝統文化,経営者のリーダーシップ,従業員・取引先の好感度,金融機関との信頼関係はここに位置付けることができます。この定性的な分析は,社長自身からのヒアリング情報が最も重要です。よくも悪くも会社個性は,社長の個性と連動します。会社の重要なことを一番よく知っているのは社長です。社長の話をよく聴くこと,社長が知っていることもちろんですが,知らないこともそれ自体が大切な情報です。社長は,会社の窮境に及んで,会社のためなのかそれとも誰かのためなのか,何かを隠そうとするかもしれません。隠そうと意図するまでではないものの,忘れてしまったり,思い違いをすることもあります。定量的情報や定性的情報,全般にわたって財務資料を念頭に置きつつ慎重にヒアリングする必要があります。もちろん,幹部従業員や取引先・金融機関からの情報も重要ですが,再生案件の場合,秘密裏に準備を進めることが多く,そのようなヒアリングはできないことがよくあります。

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