株主総会会場に入場できる株主の制限に関する裁判例が出ました③~今後への影響 |トピックス|しょうぶ法律事務所 株主総会会場に入場できる株主の制限に関する裁判例が出ました③~今後への影響 |トピックス|しょうぶ法律事務所

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株主総会会場に入場できる株主の制限に関する裁判例が出ました③~今後への影響

これまで、少なくとも実務では、株主総会への出席を希望する株主は全て出席できるようにしなければならない(違反すると株主総会決議の取消事由になる)と考えられてきました。

これに対し、今回の裁判例は、「株主が総会参与権を有するとしても、希望すれば必ず株主総会に出席できる権利であると認めることはできない。」とし、これまでの実務とは異なる考えを示しました。

実は学説では、この判決が出る以前から、会場に入場できない株主が存在すれば当然に決議取消事由となるとの考えには、批判や疑問も提起されていました。

こうした見解は、新型コロナウイルス感染拡大防止の必要やバーチャル株主総会の出現により、より活発に議論の俎上に載せられるようになってきています。

ただ、こうした議論の中でも、合理的に予想される出席株主数に見合った会場を確保することは合法性を認める前提条件として必要だ、とも言われています。

20235月から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行し、感染症対策も少しずつ緩くなってきていますので、この裁判例での判断が今後も維持されるとは限りません。

仮に株主総会への入場制限を継続する場合でも、事前の議決権行使方法の案内、バーチャル株主総会の実施、事後的な株主総会の映像等の配信などにより、株主に配慮することも検討する必要があるかもしれません。

経済産業省の「株主総会運営に係るQ&A」でも、令和5330日に追加されたQ6にて、以前に示した取扱いが今後も許容されるか否かは、感染症対策の在り方等が昨今変化していることを踏まえながら、事案ごとに個別に判断されることになる、との考えが示されています。

2023年は、弁護士や法務担当者にとって、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する世の中の動向も注視しながら今後の株主総会のあり方を模索する時期といえるでしょう。

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