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ソフトローとの付き合い方②

ソフトローの問題点は、長所の裏返しとなります。

すなわち、国会の手続を経ずに定められており、民主的に制定されたものとはいえない点、細かい点についてまで規制が及ぼされる点が問題点といえます。

民主的でない手続で一方的に制定されたソフトローが社会的影響力を持ちすぎるとなると、国民が本来持っている自由や権利の過剰な制約となります。

さらに、各人、各社に様々な事情があるにもかかわらず、細部についてまで定めたソフトローに一律に従うことを求めるとすると、それぞれが本来有している活力を削いでしまい、活動を停滞させることにもなりかねません。

論者によっては、ソフトローについては、すべからく積極的に従うべし、という方もおられるようです。

たしかに、ソフトローは社会の潮流を捉えてタイムリーに設定されており、それに従うことで、自社のさらなる発展につながる場合も多くあります。

人権問題や環境問題といった喫緊の課題に関するものもあり、社会的責任として取り組まなければならない場合もあります。

それにそもそも、ソフトローは現代社会では大きな影響力を持っているので、無視する、ということも難しいでしょう。

しかし、各自の状況・規制の内容によっては、ソフトローに過剰に従うのではなく、「ほどほどのお付き合いで」というスタンスを採ることも、必要なことがあるのかもしれません。

ただ、ソフトローといえど、業界の標準になっているような場合には、それに従わなかったことが法律上の過失の認定に用いられる、といったこともあります。

そうした結果を避けるためには、自社の当時の状況、ガイドラインと異なる取扱いをした理由、そのような判断に至った経緯などについて対外的に説明し、証拠も残しておくことが重要になる場合がありますので、弁護士とも相談しながら進めてみましょう。

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