中小企業では株主管理が重要です~オーナー社長の相続を中心に~⑦ |トピックス|しょうぶ法律事務所 中小企業では株主管理が重要です~オーナー社長の相続を中心に~⑦ |トピックス|しょうぶ法律事務所

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中小企業では株主管理が重要です~オーナー社長の相続を中心に~⑦

前回の続き)
◎株式が準共有となっているとどうなる?

株式が準共有の状態となっていると、過半数の準共有持分を有していない限り、単独で議決権などの権利行使ができません。

 

具体的には、次のような制限がかかります。

議決権を行使する際に持分価格の過半数による決定が必要になる(民法264条、252条1項)

 

☑議決権を行使するには、持分価格の過半数による決定で権利行使者1名を指定し、会社に通知することが必要になる(会社法106条)

*会社が同意すれば、指定・通知は不要(同条ただし書)。

なお、会社の同意がある場合でも、議決権を行使するためには、持分価格の過半数による決定が必要(最判平成27年2月19日民集69-1-25)

 

株式を売却などして処分する場合には、全員の同意が必要になる(民法264条、251条1項本文)

そのため、オーナー社長の相続により株式の準共有状態が発生することで、「株主総会で有効な議決ができない」「後継者と予定されていた人が経営権を奪われる」など、経営が不安定化するおそれがあります。

 

 

具体的な例で見てみましょう。

例①

オーナー社長である亡Aは、生前、長男を後継者として、株式の45%を譲っていた。

しかし、残りの55%の株式は、Aの手元に残していた。

その後、遺言を残さずにAが死亡した。

 

すると、後継者を長男とすることに反対していたAの妻と次男が、両者合わせて、相続によって準共有となった55%の株式の持分価額の過半数を支配することになった。

そのため、準共有状態の株式の議決権は、妻と次男の決定により行使される状態になってしまった。

 

こうして、長男は株主総会で自分の意見を通すことができなくなり、代表取締役に選任されなくなって、経営権を失ってしまった。

例②

 

上の例で、妻と次男の反対により権利行使者の指定ができないと、株主総会を開こうとしても、定足数を満たすことができなくなるおそれがある。

このように、遺言がないと、遺産分割が済むまで株式を準共有することになり、様々な不都合が生じることになり得ます。

 

こうなってからでは、弁護士に相談しても、有効な対策がないと言われる可能性があります。

 

そのようなことにならないよう、中小企業のオーナーの方は、早いうちに遺言書を作成しておくようにしましょう。

 

次回に続く)

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